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by ryangyongsong

長谷川豊をなぜ政治家にしてはならないのか――政治空間からの差別煽動の恐怖

ニュースを見て驚愕した。

 日本維新の会は次期衆議院選挙で、千葉1区の公認候補者として元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏を擁立する方針を固めたことがわかった。

 長谷川氏は元フジテレビのアナウンサーで、現在はフリーアナウンサーとして活動するかたわら、自らのブログで憲法改正やカジノを含むIR(=統合型リゾート施設)の導入に積極的な姿勢を示していた。日本維新の会の幹部の1人は「維新の会と考え方が近く、知名度もある。関東に維新を根付かせたい」と話している。
これは非常にまずい。なぜか。

長谷川豊は、2016年9月19日に自身のブログで、「人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」なるタイトルで記事を投稿している。抗議を受けてもなお、タイトルを変えただけで、いまだに訂正もせず、同じ記事を掲載し続けている。


内容の批判については既に多くの記事があるので、ここでは措きたい(一例として下記記事を参照)。



ところで私が今回問題にしたいのは、長谷川豊の思想や立場ではない。

日本維新の会という、公的な政党が、彼のような透析患者への悪質な差別煽動を行いTV番組を降板した人物を、正式に立候補者として選び、選挙戦に出すことの問題である。

一般庶民が差別を行うのと、政治家が差別を行うのとでは、まったく社会的影響力が違う。政治家が差別することは、社会全体で差別を煽動する極めて大きな効果を発揮してしまうからだ。

具体的には次のことが起きうる。

1.公的な政党が長谷川を公認することで、長谷川が行った透析患者への差別煽動に、「正当性」をあたえ、お墨付きを与える。

2.選挙戦に実際に出ることになれば、長谷川が行った透析患者への差別煽動について、広範な宣伝機会を与えることになる。それじたいが差別煽動効果を生む。しかもそれが、公的な選挙で行われるので、「正当化」されてしまう。

3.その結果、選挙を通じて、政治空間から市民社会全体にむけて、強力な差別煽動が行われる。透析患者が医療を受けることを自粛したり、医療機関・企業・学校・家庭などあらゆる社会空間で、透析患者への差別が引き起こされる。

私はこのことを真剣に危惧している。

このことを、拙著では「政治空間からの差別煽動」という表現で説明している。解説図をつくってみた(拙著75頁)。

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この「政治空間からの差別煽動」こそ、日本でヘイトスピーチを頻発させてきた本当の原因であった。

維新の会は、今すぐ長谷川豊の立候補を取りやめるべきだ。そして差別主義者を立候補者にしたことについて釈明と内部調査、その原因を究明・公開すべきだ。

ヘイトスピーチはなにも、在日コリアンだけをターゲットとするのではない。長谷川豊のような人物を政治家にすることは、社会全体の差別を煽動し、在日だけでなく、透析患者や貧困者など福祉を必要とする人々をも、「死んでよい」「殺してもよい」者とするような社会的圧力を生むだろう。


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by ryangyongsong | 2017-02-06 12:13